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店舗経営に欠かせない「給排気環境」の重要性とその見直しポイント

店舗を運営する上で、来店客に快適な空間を提供することは最も基本的な要素の一つです。特に飲食店をはじめとする店舗では、「空気の質」が印象を左右し、リピート率にも影響を与えることがあります。
本記事では、店舗の給排気環境が快適性や衛生管理、従業員の健康維持にどのように関わっているのかを解説し、日常的に行える点検・改善のポイントを紹介します。

1. 店舗における給排気バランスの基本

店舗では調理や照明、来店客の出入りなどにより、住宅以上に空気の流れが変化します。特に飲食店では、調理中に発生する熱や煙、油分、臭気を効率的に排出することが求められます。
このとき重要なのが、「給気」と「排気」のバランスです。排気ばかりを強化すると室内が負圧となり、外からのドアの開閉が重くなったり、空調効率が低下したりする場合があります。逆に給気が多すぎると、店内に外気や埃が入り込み、衛生環境を悪化させることもあります。

適切なバランスを保つためには、店舗面積・天井高さ・利用客数・調理機器の熱量などを踏まえた換気計画の設計が必要です。近年は高気密な店舗空間が増えているため、自然換気だけでは不十分な場合が多く、機械換気による安定した空気循環が欠かせません。

2. 給排気バランスが崩れると起こる問題

給排気のバランスが乱れると、店舗環境にさまざまな悪影響が生じます。代表的な事例を挙げます。

  • 臭気や煙のこもり
    排気が不十分な場合、厨房やフロアに煙や臭いが滞留し、客席の快適性が損なわれます。特に焼き物や揚げ物を扱う業態では、油煙が壁や天井に付着しやすく、清掃コストも増加します。

  • 結露・カビの発生
    湿度の高い環境で排気が滞ると、壁や天井に結露が生じ、カビが発生します。これは衛生面だけでなく、建材の劣化や臭気の原因にもつながります。

  • 空調効率の低下
    給気が不足すると、エアコンの冷暖房が効きにくくなり、電気代が増加します。冷暖房と換気は密接に関係しており、給排気設計を見直すことで省エネ効果を高めることができます。

  • 一酸化炭素の滞留リスク
    ガス機器を使用している店舗では、排気不良が原因で一酸化炭素が逆流する危険があります。小規模店舗や地下店舗では特に注意が必要です。

3. 店舗オーナーができる簡易点検と改善のポイント

専門業者による点検が理想ですが、日常的に確認できる項目もあります。以下のポイントを定期的にチェックしてみましょう。

  1. 換気扇の吸引力チェック
    紙やティッシュを換気口に近づけて吸い込まれるかを確認します。吸引力が弱い場合、フィルターの詰まりやダクトの汚れが考えられます。

  2. フィルターやグリスフィルターの清掃
    厨房の排気フィルターには油脂や埃が付着します。汚れが溜まると排気効率が大きく低下し、モーターへの負荷も増加します。週1回を目安に温水と中性洗剤で洗浄し、完全に乾かしてから再装着しましょう。

  3. 給気口の確認
    壁面や天井の給気口が埃で塞がれていないか、または家具や装飾で風の流れが遮られていないか確認します。

  4. ドアの開閉時の空気圧チェック
    ドアが重く感じる場合は、店内が過剰な負圧になっている可能性があります。この状態が続くと、空調効率が落ちたり外気が入り込みやすくなったりします。

  5. 空気質の簡易測定
    CO₂濃度計を活用することで、換気の状態を数値で確認できます。一般的に1,000ppmを超えると換気不足とされ、特に混雑時は注意が必要です。

4. 給排気システムの定期メンテナンスの重要性

店舗の排気ダクトやファンは、長期間使用すると油脂や埃が蓄積し、換気性能が低下します。特に飲食店では、排気ファンのモーター焼損やダクト火災の原因になることもあります。
定期的な専門業者によるダクト清掃・点検は、安全と衛生を守るうえで欠かせません。清掃の頻度は、業種や使用状況にもよりますが、一般的に半年から1年に一度が目安とされています。

また、給排気システムの清掃は、単に汚れを取るだけでなく、モーターの電流値・風量・風圧の測定を行い、システム全体が正常に動作しているか確認することが重要です。

5. 快適で安全な店舗づくりのために

給排気環境は目に見えない部分ですが、店舗経営の「基盤」といえる存在です。
新規開業時には設計段階から換気計画を取り入れ、厨房や客席のレイアウトに合わせて最適な空気の流れを作ることが大切です。すでに営業中の店舗でも、空調効率が悪い、臭いがこもる、スタッフの疲労感が強いなどのサインがあれば、給排気バランスを見直すタイミングかもしれません。

専門業者に相談すれば、現場調査をもとに排気量の測定やダクト構成の改善提案、定期清掃のスケジュール作成などを行うことができます。これにより、設備の寿命を延ばし、店舗の安全性と快適性を維持できます。

店舗の給排気環境は、見た目の清潔さ以上にお客様の満足度や従業員の健康、設備の耐久性に直結します。
日常的な点検と定期的な専門メンテナンスを組み合わせることで、トラブルを未然に防ぎ、長期的な店舗運営を支えることが可能です。
快適な空気環境づくりは、店舗の信頼を高める第一歩。ぜひ、今日から見直してみてください。

株式会社 野田ハッピーでは、店舗の開業から運営まで、繁盛店の実現をサポートするワンストップサービスを提供しています。
ダクト工事、内装工事、ダクト清掃など、どんなご相談でもお気軽にお問い合わせください。

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