室内の空気がなんだか重い、カビが出やすい、電気代がやたらとかかる…。そんな経験はありませんか?実はその原因、換気システムにあるかもしれません。
建物の快適性や健康、安全性を支える「換気」。特に近年の高気密・高断熱住宅では、計画的な換気がますます重要になっています。しかし、設計時に見落としがちな部分も多く、完成後に「もっとちゃんと考えておけばよかった…」と後悔するケースも。
今回は、長年現場で換気設計に関わってきた立場から、建物の新築・リフォーム問わず、設計段階で押さえておきたい7つのチェックポイントをご紹介します。
1. 必要換気量を正しく計算する
まず最初にやるべきは、必要な換気量の計算です。住宅なら床面積や在室人数をもとに、法律で定められた基準(例:0.5回/時)を満たす必要があります。オフィスや店舗など用途によって基準も変わるため、目的に合った設計が不可欠です。
2. 換気方式を建物に合わせて選ぶ
換気方式には、大きく分けて「第一種(給気・排気ともに機械)」「第二種(給気のみ機械)」「第三種(排気のみ機械)」の3つがあります。高気密住宅では熱交換機能付きの第一種がおすすめ。地域の気候や予算とのバランスも考慮しましょう。
3. 騒音対策を忘れずに
換気扇やダクトからの騒音は、快適性に大きく影響します。静かな寝室や会議室などでは、風切り音やモーター音が気になることも。静音タイプの機器を選んだり、ダクトの曲がりを少なくすることで、騒音を抑える工夫ができます。
4. メンテナンスのしやすさを考える
換気は24時間動き続ける設備です。フィルターの掃除や部品交換がしやすい設計にしておかないと、いずれ大きなトラブルにつながります。点検口の配置や機器の設置場所は、必ずメンテナンス性を考慮して設計しましょう。
5. 気流の流れを最適化する
給気と排気のバランスが悪いと、部屋の空気がうまく入れ替わりません。特にキッチンやトイレなど、ニオイや湿気が発生する場所は、効率的な排気が必要です。空気の流れを読みながら、デッドスペースを作らない配置が重要です。
6. 結露対策も忘れずに
冬場に外気がダクト内で冷やされると、結露が発生しやすくなります。そのままにしておくとカビの原因にも。断熱処理をしっかり施し、排水経路も確保することで、結露トラブルを未然に防ぎましょう。
7. 非常時の備えも設計に含める
火災時の排煙や停電時の換気確保など、万が一の時にも機能する換気設計が必要です。特に公共施設や高層建築では、法令に基づいた安全対策も欠かせません。
換気システムは「目に見えない」からこそ、後回しにされがちです。しかし、設計段階からしっかり計画しておくことで、快適な空間とエネルギー効率の両立が実現できます。今回ご紹介した7つのポイントをもとに、設計者や設備業者と早い段階から相談し、長く安心して使える換気システムを目指しましょう。
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