
焼肉店や焼き鳥店など、調理中に煙や油煙が発生する飲食店では、厨房や客席の排気設備が継続的に使用されています。排気フード、グリスフィルター、排気ダクト、排気ファンなどは、煙や熱気、においを屋外へ排出するための重要な設備です。
これらの設備には、使用に伴って油脂やほこりが付着します。汚れを放置すると、排気風量の低下や異臭、異音などにつながることがあるため、日常的な確認と計画的な清掃が必要です。ただし、店内スタッフが対応できるのは、目視できる範囲や取扱説明書で認められた清掃に限られます。ダクト内部や排気ファンなどの点検・清掃は、安全面を考慮して専門業者へ依頼することが基本です。
この記事では、焼肉店や焼き鳥店などの店長が確認しておきたい、排気ダクトと関連設備のメンテナンス方法を分かりやすく説明します。
飲食店の排気設備を構成する主な部分
飲食店の排気設備は、一つの機器だけで構成されているわけではありません。一般的には、調理で発生した煙や油煙を集める排気フード、油分を捕集するグリスフィルターやグリス除去装置、空気の通り道となる排気ダクト、空気を屋外へ送り出す排気ファンなどで構成されます。
焼肉店では、厨房だけでなく、客席のロースター周辺にも排気経路が設けられている場合があります。焼き鳥店では、焼き台の上部に設置されたフードから煙や油煙を集め、ダクトを通じて排出する方式が多く見られます。設備の構造は店舗によって異なるため、まずは自店の排気経路と点検口の位置、清掃できる部品を把握しておくことが大切です。
油汚れを放置しないことが基本
肉や魚などを加熱すると、煙とともに細かな油分が発生します。その一部はグリスフィルターなどで捕集されますが、使用状況によってはフードの内側、ダクト、排気ファンにも付着します。油脂にほこりが混ざると粘りのある汚れとなり、時間がたつほど除去しにくくなります。
排気設備に油脂が堆積した状態では、火気や高温の影響を受けた場合に燃焼するおそれがあります。また、フィルターや排気経路の汚れによって空気が通りにくくなれば、排気性能にも影響します。店舗の安全と排気状態を維持するためには、表面の汚れだけでなく、見えない部分を含めた管理が必要です。
店長が日常的に確認したい場所
営業前や営業後には、排気フードの表面や内側、グリスフィルター、油受けなど、目視できる範囲を確認します。油が垂れていないか、フィルターが著しく目詰まりしていないか、部品が外れたり変形したりしていないかを見ます。
客席に排気設備がある店舗では、吸込口の周囲に油汚れや異物が付着していないかも確認します。テーブルやロースターを清掃するときに排気口も一緒に見るよう作業手順を決めておくと、確認漏れを防ぎやすくなります。
清掃の際は、設備を停止し、十分に温度が下がってから作業します。洗浄方法や使用できる洗剤は材質や機器によって異なるため、取扱説明書に従ってください。濡らしてはいけない電気部品や回転部分には、水や洗剤がかからないように注意が必要です。
グリスフィルターの清掃と交換
グリスフィルターは、排気中の油分を捕集し、ダクト内部への流入を抑える部品です。油汚れが多く付着すると、空気が通りにくくなり、十分な排気ができなくなることがあります。
取り外して洗浄できるタイプの場合は、取扱説明書に沿って定期的に清掃します。清掃後は洗剤や水分を十分に除き、正しい向きで確実に取り付けます。破損、変形、腐食、固定不良などが見られる場合は、そのまま使い続けず、交換や修理について管理会社または専門業者へ相談してください。
清掃頻度は、調理方法、営業時間、使用する油の量、設備の構造などによって異なります。決まった回数だけで判断するのではなく、汚れの付着状況を確認しながら、自店に合った清掃間隔を設定することが重要です。
排気の変化を確認する
煙が以前より客席や厨房内に残る、フードへ煙が吸い込まれにくい、店内ににおいがこもるといった変化は、排気設備の状態を確認するきっかけになります。ただし、原因はダクトの汚れだけとは限りません。
グリスフィルターの目詰まり、吸込口のふさがり、排気ファンの不具合、給気不足、ダンパーの状態なども排気に影響します。窓や扉の開閉、空調設備の運転状況によって、店内の空気の流れが変わる場合もあります。
まずは、どの時間帯に、どの場所で、どのような変化が起きているかを記録します。フィルターなど目視できる部分を確認しても改善しない場合は、排気設備全体の点検を依頼します。
異臭や異音が発生した場合
排気設備から普段と異なるにおいがする場合は、油脂の堆積、排水部分の汚れ、外部からのにおいの流入など、複数の原因が考えられます。焦げたようなにおいや煙が確認された場合は、営業を続けながら様子を見るのではなく、火気と設備を停止し、安全を確認したうえで必要な連絡を行います。
排気ファンから大きな振動音や金属が接触するような音がする場合も注意が必要です。ファンの羽根への汚れの付着、部品の緩み、軸やモーターの不具合などが考えられます。回転中の機器へ手を入れたり、自分で分解したりせず、専門業者へ点検を依頼してください。
ダクト内部の清掃は専門業者へ依頼する
排気ダクトの多くは、天井裏、壁の内部、床下など、通常は見えない場所を通っています。無理に清掃道具を差し込むと、汚れを奥へ押し込んだり、ダクトや接続部を傷つけたりする可能性があります。高所、狭い場所、電気設備の周辺での作業にも危険があります。
専門業者による清掃では、点検口などから内部の汚れを確認し、設備の構造や付着状況に合った方法で油脂を除去します。排気ファン、ダンパー、接続部なども確認対象になります。清掃を依頼する際は、作業範囲にフード、ダクト、排気ファンのどこまで含まれるかを事前に確認しておくとよいでしょう。
清掃時期は使用状況と点検結果で判断する
排気設備の汚れ方は、営業時間、席数、調理量、火力、油の使用量などによって変わります。同じ業種であっても、店舗ごとの使用条件が異なるため、すべての店舗に同じ清掃間隔が適しているとは限りません。
まずは定期的に状態を確認し、油脂の付着量や排気の変化を記録します。設備の取扱説明書、保守契約、所轄消防署などから示されている管理基準がある場合は、それに従います。汚れの進行が早い場合は、点検や清掃の間隔を短くする必要があります。
点検・清掃の記録を残す
店長が清掃状況を把握するためには、記録を残すことが有効です。点検日、確認した場所、汚れの状態、清掃内容、担当者、交換した部品、専門業者からの指摘事項などを記録します。
写真を残しておけば、前回との汚れ方の違いも比較しやすくなります。また、店長や従業員が交代した場合でも、過去の清掃履歴を引き継ぐことができます。専門業者へ相談するときにも、設備の使用状況や過去の作業内容を正確に伝えやすくなります。
店舗全体で管理方法を共有する
排気設備の管理を一人の経験だけに任せると、担当者が不在のときに確認や清掃が行われない可能性があります。営業前後のチェック項目、清掃する部品、異常があった場合の報告先を決め、従業員間で共有しておくことが大切です。
店内スタッフが行うのは、目視点検、表面清掃、取扱説明書で認められた部品の洗浄などです。ダクト内部、排気ファン、電気部品、高所などの作業は専門業者へ依頼します。対応範囲を明確にすることで、無理な分解や危険な清掃を防ぎやすくなります。
焼肉店や焼き鳥店などの排気設備には、日々の営業によって油脂やほこりが付着します。フードやグリスフィルターなど見える部分を日常的に確認し、排気の変化、異臭、異音を記録することが、メンテナンスの基本です。
一方、ダクト内部や排気ファンの状態は、店内から確認できないことがあります。表面がきれいに見えても内部の状態までは判断できないため、使用状況に応じて専門業者による点検と清掃を組み合わせましょう。清掃履歴を残し、店舗全体で管理方法を共有することが、排気設備を適切に維持することにつながります。

飲食店の排気ダクト工事・点検・清掃については、株式会社野田ハッピーのお問い合わせフォームからご相談ください。
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