店舗リフォームで居心地の良い空間をつくるポイント|照明・動線・内装・換気の考え方

店舗リフォームでは、見た目を新しくするだけでなく、お客様が過ごしやすく、従業員が作業しやすい環境を整えることが大切です。

居心地の良さは、照明や色、座席の配置だけで決まるものではありません。店内の動線、空調・換気、音、におい、清掃のしやすさなど、複数の要素が関係します。また、業種や主な利用者、滞在時間によって、適切な設計も異なります。

この記事では、店舗リフォームを検討するときに確認したい基本的なポイントを、実用面を中心に分かりやすく解説します。

1.最初に店舗の目的と課題を整理する

リフォームを始める前に、現在の店舗にどのような課題があるのかを整理します。

「店内が暗い」「通路が狭い」「座席数と作業スペースのバランスが悪い」「空調が効きにくい」「調理時のにおいが客席に流れる」など、現場によって改善したい内容は異なります。

デザインを先に決めてしまうと、完成後に動線や設備面の問題が残ることがあります。そのため、まずは次の項目を確認すると計画を立てやすくなります。

・店舗を利用する主な客層
・平均的な滞在時間
・混雑しやすい時間帯
・従業員の人数と作業内容
・現在の設備や内装の問題点
・今後変更する可能性がある営業形態

必要な工事を整理したうえで、内装、設備、予算、工期の優先順位を決めることが重要です。

2.業種と利用目的に合わせて照明を計画する

店舗の照明は、商品の見え方や店内の雰囲気、作業のしやすさに関係します。ただ明るくすればよいのではなく、場所ごとに必要な明るさを考える必要があります。

飲食店では、客席に落ち着いた照明を採用する場合でも、入口、通路、段差、会計場所などは安全に移動できる明るさを確保します。厨房や作業場所では、食材や器具の状態を確認しやすい照明が必要です。

物販店では、商品を確認しやすい明るさに加え、照明によって商品の色が実物と大きく異なって見えないよう注意します。

また、窓から入る自然光は時間帯や天候によって変化します。日中の状態だけでなく、夕方や夜間の見え方も確認しておくと、営業中の明るさを調整しやすくなります。

照明器具の位置については、着席した人の目に光が直接入りにくいこと、商品棚やメニューに影ができにくいことも確認しましょう。

3.色と素材は店舗の用途に合わせて選ぶ

壁、床、天井、家具の色は、店舗全体の印象を左右します。色を選ぶときは、好みだけでなく、店舗のコンセプトや照明との組み合わせを考えることが大切です。

白や明るい木目を中心にすると、比較的明るく清潔感のある印象になります。彩度を抑えた色や濃い木目は、落ち着いた空間をつくる際に使われます。ただし、暗い色を広い範囲に使用すると、照明条件によっては店内が暗く感じられる場合があります。

素材選びでは、見た目だけでなく、耐久性や清掃のしやすさも確認します。飲食店の床や壁は、油、水分、食べこぼしなどが付着することを想定しなければなりません。汚れを拭き取りやすく、日常的な清掃に対応できる素材を選ぶことが、店舗を良好な状態に保つことにつながります。

床材については、滑りにくさや摩耗への強さ、歩行時の音にも配慮が必要です。

4.客席数だけでなく通路と動線を考える

座席数を増やすと一度に利用できる人数は増えますが、席の間隔が狭くなりすぎると、移動や配膳、清掃がしにくくなります。

座席配置を決める際は、入口から客席、会計、トイレまでの移動経路を確認します。飲食店の場合は、厨房から客席までの配膳動線と、来店客の動線が重なりすぎないように計画することも大切です。

椅子を引くためのスペース、荷物を置く場所、ベビーカーや車いすを利用する人の移動なども、店舗の利用者に応じて検討します。

従業員側については、必要な備品を無理なく取り出せることや、限られた範囲で何度も往復しなくて済む配置を考えます。実際の営業を想定して人の動きを確認すると、図面だけでは分かりにくい問題を見つけやすくなります。

5.空調・換気・給排気設備を内装と一緒に考える

居心地の良い店舗をつくるには、室温だけでなく、空気の流れやにおいへの対策も欠かせません。

特に調理を行う飲食店では、熱、蒸気、煙、油を含んだ空気などが発生します。排気が適切でない場合、客席ににおいが流れたり、店内に熱がこもったりすることがあります。

一方、排気だけを強くすると、店内に取り入れる空気が不足し、入口の扉が開けにくくなるなど、室内外の圧力差による問題が生じることがあります。そのため、排気量と給気量のバランスを考えた設備計画が必要です。

ダクトの経路、排気口の位置、空調設備との関係は、天井や壁の設計にも影響します。内装工事が進んでから変更すると、工事範囲が広がる可能性があるため、設計段階から給排気設備と内装を一緒に検討することが大切です。

6.音とにおいにも配慮する

店内の音は、会話のしやすさや落ち着きに関係します。壁や床などに硬い素材が多い空間では、話し声や食器の音が反響しやすくなることがあります。

音の反響が気になる場合は、天井や壁、家具などの素材を組み合わせ、音が響きすぎないように調整します。音楽を流す場合も、店内の場所によって音量に差が出ないか、会話を妨げる音量になっていないかを確認します。

香りについては、演出として加えることよりも、厨房、排水、空調、内装材などから発生する不要なにおいを抑えることが基本です。飲食店では、排気設備の状態や清掃状況も店内のにおいに影響するため、日常的に点検できる構造が望まれます。

7.清掃とメンテナンスのしやすさを確認する

店舗は完成時の見た目だけでなく、営業開始後も管理しやすいことが重要です。

凹凸が多くほこりがたまりやすい内装や、清掃用具が届きにくい設備配置は、日々の作業負担につながります。床、壁、家具、照明、空調設備などについて、どのように清掃や点検を行うかを事前に確認しましょう。

飲食店では、厨房フード、フィルター、排気ダクト、換気扇などの点検や清掃が必要です。点検口が設けられているか、機器を取り外せるか、作業スペースを確保できるかなど、設備の維持管理を想定した設計が求められます。

交換が必要になりやすい部品や消耗品についても、工事後に入手や交換がしやすいか確認しておくと安心です。

8.法令や建物の条件を事前に確認する

店舗リフォームでは、建築、消防、衛生、電気、ガスなどに関する条件を確認する必要があります。必要な手続きや設備は、業種、店舗の広さ、建物の構造、地域などによって異なります。

テナントの場合は、建物側の工事ルールや管理規約も確認します。ダクトを通せる場所、室外機や排気口を設置できる位置、工事可能な時間帯などに制限が設けられていることがあります。

契約や設計を進める前に、建物の管理者や工事担当者と条件を共有し、必要に応じて関係機関へ確認することが、計画変更を減らすために重要です。


店舗リフォームで居心地の良い空間をつくるには、照明、色、素材、座席配置といった内装デザインに加え、動線、空調、換気、音、におい、清掃性まで含めて計画する必要があります。

大切なのは、見た目だけで判断せず、実際の営業や日常的な管理を想定することです。現在の店舗の課題と優先順位を整理し、内装と設備を早い段階から一体的に検討することで、利用者と従業員の双方にとって使いやすい店舗を目指せます。

給排気設備を伴うリフォームでは、ダクト工事と内装工事の調整も必要です。設計段階から関係者間で情報を共有し、建物の条件に合わせて無理のない計画を立てましょう。

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株式会社野田ハッピーは、無煙ロースターの製造販売と共に、20年以上の焼肉店舗の設計・内装施工経験に基づき、店舗作りに取り組んで来ました。
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