飲食店の臭気対策に集塵機と消臭機は必要?役割の違いと導入の考え方

飲食店では、調理に伴って煙や油煙、においが発生します。焼肉店、焼鳥店、中華料理店、揚げ物を多く扱う店舗などでは、営業時間中に多くの排気を行うため、厨房内だけでなく、屋外へ排出される空気への対策も重要になります。

特に住宅や事業所が近い場所では、「店内ではそれほど気にならないのに、排気口の周辺ではにおいを感じる」といったこともあります。

こうした臭気対策を考える際によく検討される設備が「集塵機」と「消臭機」です。

ただし、集塵機と消臭機は同じ目的の設備ではありません。それぞれ取り除く対象や役割が異なるため、店舗の状況に合わせて選ぶ必要があります。

今回は、飲食店の臭気対策という観点から、集塵機と消臭機の違い、両方が必要になるケース、設備を導入する前に確認したいポイントについて説明します。

飲食店の排気にはさまざまな物質が含まれる

調理中に発生する排気は、単純な「におい」だけで構成されているわけではありません。

調理方法によって異なりますが、排気の中には煙、油脂を含んだ微粒子、水蒸気、食材や調味料などに由来する臭気成分などが含まれることがあります。

例えば、肉や魚を焼いたときには煙やにおいが発生します。油を使用する調理では、細かな油の粒子が空気中に含まれる場合があります。

そのため、飲食店の臭気対策では、

「煙や油の粒子への対策」

「においの成分への対策」

を分けて考えることが大切です。

この違いを理解すると、集塵機と消臭機の役割も分かりやすくなります。

集塵機とは何をする設備なのか

集塵機は、その名称のとおり、空気中に含まれる粒子を捕集するための設備です。

飲食店の排気設備では、調理によって発生した煙や油煙などに含まれる微粒子を減らす目的で使用されます。

厨房から吸い込まれた空気はダクトを通って屋外へ排出されますが、その途中に集塵設備を設けることで、排気に含まれる粒子を捕集します。

その結果、排気口から外部へ排出される煙や油分を減らすことにつながります。

また、油分の多い排気をそのまま流し続けると、ダクトや排気ファンなどに油汚れが付着しやすくなります。集塵設備を適切に使用することは、排気系統への油分の流入を抑えるという面でも意味があります。

ただし、集塵機を設置すれば、すべてのにおいがなくなるわけではありません。

ここが集塵機と消臭機を理解するうえで重要なポイントです。

集塵機だけでは臭気対策が十分とは限らない

集塵機が主に対象としているのは、煙や油煙などに含まれる粒子です。

一方、調理臭には、粒子として捕集できるものだけではなく、空気中に含まれるさまざまな臭気成分があります。

そのため、集塵によって煙や油分を減らしたとしても、排気ににおいが残る場合があります。

もちろん、油煙などを取り除くことで結果的に臭気が軽減されることはあります。しかし、「集塵=消臭」ではありません。

店舗周辺へのにおいを抑えることを主な目的とするのであれば、集塵設備だけではなく、臭気そのものへの対策を検討する必要があります。

そこで使用されるのが消臭機です。

消臭機の役割とは

消臭機は、排気に含まれる臭気を低減することを目的とした設備です。

飲食店向けの消臭設備にはさまざまな方式があり、臭気成分を吸着するものや、処理によって臭気を低減するものなどがあります。

どの方式が適しているかは、店舗で使用している調理設備、料理の種類、排気量、臭気の程度、設置環境などによって異なります。

大切なのは、消臭機を単独で考えるのではなく、厨房から排気口までの排気設備全体の中で考えることです。

例えば、油分を多く含む排気を十分に処理しないまま消臭設備へ送ると、設備内部に汚れが付着し、性能を維持しにくくなることがあります。

そのため、油煙が多い飲食店では、先に油煙や粒子を減らし、その後に臭気を処理するという考え方が一般的です。

集塵機と消臭機は役割が違う

集塵機と消臭機の違いを簡単に整理すると、

集塵機
→煙、油煙などに含まれる粒子を捕集する設備

消臭機
→排気に含まれる臭気を低減する設備

と考えると分かりやすいでしょう。

つまり、「煙への対策」と「においへの対策」は完全に同じものではありません。

煙や油煙が多い店舗では集塵対策が重要になり、周辺への調理臭が問題になりやすい環境では消臭対策の必要性が高くなります。

両方の問題がある場合には、集塵機と消臭機を組み合わせる方法も検討されます。

集塵機と消臭機の両方が必要になるケース

すべての飲食店に集塵機と消臭機の両方が必ず必要というわけではありません。

店舗ごとに調理内容や排気設備、周辺環境が違うためです。

例えば、煙や油煙が多く発生し、さらに排気口の近くに住宅や他の建物がある場合には、粒子と臭気の両方について対策を検討する必要があります。

焼く、炒める、揚げるといった調理を多く行う店舗では、油煙を伴う排気が発生しやすいため、集塵設備の必要性を確認します。

そのうえで、排気口付近で調理臭が強く感じられる場合や、周辺環境への臭気の影響を抑えたい場合には、消臭設備についても検討します。

一方、調理内容や排気の状態によっては、一方の設備だけで対応できる場合もあります。

重要なのは、「飲食店だから両方設置する」と決めるのではなく、現在どのような問題が起きているのかを確認してから対策を選択することです。

まず排気設備全体を確認することが重要

臭気の問題が発生した場合、すぐに消臭機を追加すれば解決するとは限りません。

最初に確認したいのが、既存の排気設備です。

厨房フードが適切に煙を吸い込んでいるか、フィルターに油汚れが蓄積していないか、ダクト内部が汚れていないか、排気ファンの能力が低下していないかなどを確認します。

また、排気口の位置や向きも重要です。

排気口が建物の窓や隣接する住宅などに近い場合、排気された空気が周辺に滞留し、においを感じやすくなることがあります。

このような場合には、消臭設備だけではなく、排気経路や排気口の位置を含めた検討が必要になることがあります。

臭気対策は一つの設備だけを見るのではなく、

発生源

厨房フード

フィルター

ダクト

集塵設備

消臭設備

排気ファン

排気口

というように、排気系統全体で考えることが大切です。

集塵機・消臭機はメンテナンスも必要

集塵機や消臭機は、設置した後も適切な点検やメンテナンスが必要です。

集塵設備には、使用するほど油分や汚れが蓄積していきます。フィルターなどの汚れが進むと、空気が通りにくくなったり、本来の処理能力を維持しにくくなったりする場合があります。

消臭設備についても同様です。

吸着材やフィルターなどを使用する方式では、使用状況に応じた交換や清掃が必要です。

メンテナンスの頻度は、設備の種類だけでなく、営業時間、調理量、油の使用量などによっても変わります。

設備を選定するときには、導入時の性能だけを見るのではなく、日常的な清掃方法や点検方法、消耗部品の交換などについても確認しておくことが大切です。

臭気対策は店舗ごとの状況に合わせて考える

飲食店の臭気対策には、一つの決まった方法があるわけではありません。

同じ業態でも、建物の構造、席数、厨房設備、排気量、ダクトの長さ、排気口の位置、周辺の建物などによって条件は異なります。

特に既存店舗の場合には、新しい設備を追加する前に、現在の排気設備が適切に機能しているかを確認することが重要です。

既存設備の清掃や調整で改善できるケースもあれば、集塵設備や消臭設備の追加を検討したほうがよいケースもあります。

設備の能力だけで判断するのではなく、実際の店舗環境を確認したうえで選定することが、適切な臭気対策につながります。

集塵と消臭を分けて考えることが臭気対策の第一歩

飲食店の臭気対策を検討するときには、まず「煙や油煙などの粒子」と「におい」を分けて考えることが重要です。

集塵機は、主に煙や油煙などに含まれる粒子を捕集するための設備です。一方、消臭機は、排気に含まれる臭気を低減することを目的としています。

そのため、集塵機だけで臭気の問題をすべて解決できるとは限らず、反対に、消臭機だけを追加すれば十分とは限りません。

調理内容、排気の状態、既存設備、排気口の位置、周辺環境などを確認し、必要に応じて集塵と消臭を組み合わせて考えることが大切です。

また、設備を導入した後には、フィルターやダクト、ファンなどを含めた定期的な点検と清掃も欠かせません。

飲食店の臭気対策を検討する際は、一つの機器だけではなく、厨房から屋外排気までの設備全体を確認し、店舗の状況に合った方法を選ぶことが重要です。

飲食店の排気・油煙・臭気対策や、集塵機・消臭機の選定については、株式会社野田ハッピーへお気軽にお問い合わせください。

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